<あらすじ>
金の算段が出来なくて女房に逃げられた男。フラ~としている内に何だか死にたくなってきた。
「何とか苦しまずに死ぬ方法はないかなあ」とつぶやいていると「教えてやろうか」と声がする。
振り向くと自称『死神』が立っていた。「金が欲しいんだろ教えてやるよ」胡散臭さを振りまきながら
「医者になれ 呪文を唱えてやるから唱えて三つ手を叩け そうすれば死神が交替と間違えて消えてくれる」
とおかしな事を言う「ただし、枕元にいるのは駄目だ」と念押しすると スッと消えた。なるほど足元に居座る死神が見える。
呪文を唱えてパンパンパン!あっという間に元気になる病人。喜ぶ回りの者達。
暖まる懐。良いことは長くは続かないのが世の常、死神の忠告を忘れついに禁じ手をやってしまった。
枕元にいる死神が居眠りをしているのをいいことに病人を動かしてパンパンパン。「お前、やっちまったな!
今助かった病人と寿命を取り替えちまった」「命が欲しけりゃ消えそうになっているお前の寿命にこの灯りを足せ」と渡される蝋燭。
だが、手が震えてなかなか上手くはいかない。「ああ~消える~!」
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